代表あいさつ
この度は吉持製作所のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。当社はアルミを中心に、全国のお客様からヘラ絞り加工による製品の製造を承っています。
「ヘラ絞り」とは金属板を回転させながらヘラを当て、さまざまな形状に金属を加工する技術のことであり、これまで多くのお客様のご要望をカタチにしてきました。「他社で断られた」という難しい依頼も数多く受けてきましたが、完成品に喜んでくださるお客様の顔を見るたびに「モノづくりは何て楽しいのだろう!」と改めてこの仕事に喜びを感じます。
産業製品はもとより、近年はデザイナー案件も多く手がけており、日本国内のみでなく海外で展示会に出品されたり、販売されたりなど幅広くご活用いただいています。
あるデザイナーさんからいただいた「ヘラ絞りの技は表現方法のひとつ」という言葉はとても大きな励みとなり今も心に響いています。これからもデザイナーさんのイメージをカタチにすることで、新たな価値の創出に役立ちたいと思っています。
当社では、会社としてお客様の望む製品を作り上げることはもちろんですが、ヘラ絞りという特殊な技術を知ってもらうことで「モノづくりの面白さを後世に伝えていく」ことも使命だと感じています。ヘラ絞りの技術は後継者がいなければ、後5~10年でなくなってしまうでしょう。こんなにも素晴らしい技術を根絶やしにするのは何とももったいないことです。
そこで、若い世代にモノづくりを継承していくために「ヘラ加工体験」を開催して、その素晴らしさを体験していたています。学生さんやデザイナーの方、金属加工業に携わる方、商工会議所様、お得意様、産業関係の大学の教授様など多くの方に参加いただき、その総数は1000名以上にものぼります。
近年では、近隣の大池中学や生野工業高校の生徒の方々の職場体験の受け入れも恒例となりました。
皆さん本当に一生懸命取り組んでいただき、ご自身で作られた作品を大事そうに持って帰られている姿が印象に残っております。
“モノづくりの感性”を教えた生徒さんの中から、数人の後継者が育ってくれれば私にとってもいうことはありません。
また、インターネットの普及にともない「情報発信」にも力を入れて参りました。モノづくりを生業とする方には、“情報発信をするという文化”を持った人はあまり多くありません。ただ、教え伝えていくことを怠ると、待っているのは衰退のみです。当社は、積極的な情報発信を心がけることで、メディアからの取材を受けてヘラ絞り技術を紹介させていただく機会も増えました。全国のお客様からのご依頼も増加しており、中には職人魂に火がつくような未体験の製品のご発注の話もいただいています。
そして、当社の技術に関する評判は海をも越え、進出した国は合計で19ヶ国にもなります。これもひとえに良さを伝えていった結果です。自ら発信していくことはとても重要なことであり、今後も継続していきたいと考えています
更に、情報発信の取り組みは自社の技術をブランディングすることにも繋がり、デザイナーの方と組んで面白い製品づくりをする機会も増えました。オシャレなフラワーポット、照明シェード、インテリア系のイスなどの製品を手掛けることも楽しんでいます。デザイナーと一緒に仕事をすることで感化されることも多く、自分の感性も磨かれていくことを実感しています。
今後も当社では、真剣さの中に秘めた“遊び心”を大切にしつつ、長年にわたって培ってきた“技”を広く伝え、より良い製品づくりをしていきたいと考えています。
そして、聞くだけでワクワクするような夢のある仕事に挑み続けます。“モノづくりの街・大阪”で生まれ育った幸運を噛みしめつつ、製品をつくることのロマンを1人でも多くの方に知っていただくことができれば、それ以上の幸せはありません。
生野区マップ制作委員会の物作り企業さんインタビュー映像
生野区マップ制作委員会の物作り企業さんインタビュー映像